こんにちは!イー・ガーディアン ゲームリサーチチームです。

弊社ではゲーム事業者向けに、開発段階においてはデバッグ、ローカライズ、セキュリティ診断などのサービス提供から、運用段階ではカスタマーサポートやSNS運用、Discordコミュニティの構築・運用、イベント実施企画運営など、ゲーム事業を上流から下流まで様々なサービス提供により一貫したサポートをしております。

前回、Discordの運用を早期に行うことが、ゲーム運用に有効であるという記事をアップしました。次は、Discordを活性化させるにはどうすべきなのか、何が鍵となるのか、リスクや事例を交えて前後編に渡り記事にしたいと思います。

■Discordの利用率はなかなか上がらない

Discordの早期運用を開始したのは良いものの、

  • ユーザーが利用してくれない
  • チャットが盛り上がらない
  • ユーザーの新規流入数が目に見えて減り退会数が増えてきた
など、多くのお悩みを抱えていることと思います。

海外ではDiscord利用率の高さから、サーバーを開設さえしてしまえばそれなりのユーザー流入があります。また、チャットも日本人に比べ多く発言する傾向にあり、盛り上がりを見せているように思えます。つまり、開設後に多くのリソースを投下せずとも、それなりに自走するのです。

しかし、日本ではこれが難しく、SNS運用者がDiscord運用をはじめたとき最初に立ちはだかる壁が“ココ!”です。

そこで活性化を目指し、モデレーターや運用者が自発的に発言しユーザーからの発言や反応を促すというのはよくある手法で効果がみられます。しかし、下記のようなデメリット・リスクがあります。

  1. 発言内容を定期的に考え、投下する余裕がない
  2. 発言内容にリプライがついた場合、それに対応する余裕がない
  3. 発言内容自体にリスクが潜んでいる可能性がある
  4. 会話への参加が決まったコアユーザーのみになる可能性がある

■定期的な発言と能動的なコミュニケーションを続けるリソースの課題

まず、項目1、2ですが、投稿文章を考えるのは時間がかかります。Discordはチャット文化のため比較的フランクに投稿を行って良いのですが、その場合はユーザーとのコミュニケーションが重要になります。例えば「今日の気分はどうですか?」と聞いたところで、ただユーザーからの気分を集めるだけでは「意味のない投稿の連続」になるということです。

「意味のない投稿の連続」を強要していくと、そのサーバーの寿命が著しく縮まります。ありがちな例では、クイズイベントで答えをチャットで発言させていく手法です。大抵のクイズイベントは難易度が低く、すぐに答えが分かるものがほとんどですが、最初から最後まで同じ内容の投稿が続くのです。ご自身がユーザーの目線に立ってみれば、この「意味のない投稿の連続」がDiscordの利用価値を下げることは明らかでしょう。

そのため、活性化させるために発言を投稿する=ある程度のユーザーとの能動的なコミュニケーションをすることが重要となります。ただチャットをしてほしいという働きかけだけでは活性化せず、能動的にコミュニケーションを取り続けることが必要です。ただ、この「続ける」ことが多大なリソースの捻出につながり、非常に困難であると言えます。

■何気ない投稿にリスクが潜む

次は項目3。弊社でもSNS投稿文章作成・投稿代行のサービスを行っておりますが、このとき非常に重要視するのはこの「投稿内容自体のリスク」への対策です。

昨今は、SNS運用におけるNGワード・表現など、ソーシャルメディアポリシーを作成し運用している企業がほとんどです。そのため、言葉や表現そのもので炎上することは非常に少なくなりました。

しかし、どれだけ上記に気を付けていても、ゲームはひとつのアップデートが原因で炎上、ということが起こり得ます。項目1,2のリソースを捻出し定期的な投稿を心がけ、ソーシャルメディアポリシーを遵守していたとしても、ユーザーから非難されることもしばしばあるのです。

また、DiscordはSNSの中でも特にコミュニケーションスピードが早いことで知られています。チャット主体のコミュニケーション方法やそれを助けるスレッド・フォーラム・BOT機能などの充実が、それに拍車をかけています。過去の投稿含め検索は容易で、Discordに参加しているコアユーザーの目に広く触れやすく、想像以上のスピードで火種が大きくなっていくのです。

■ここまでクリアしても、閉鎖的なコミュニティになり得る

コミュニティは時間をかけて文化を醸成していきます。その中で「特に行動的なユーザー」が現れるのは必然で、それがより文化を深化させ、交流を活性化させます。

項目1~3をクリアしコミュニティの活性化に成功した場合でも、蓋を開けてみると項目4に挙げた「行動的なユーザーだけが会話する」という状況になり想定していた活性化の結果が得られていないケースが多く見られます。

新規ユーザーが会話に参加しづらい、内容についていけないなどの理由から発言が減り、サーバー全体のアクティブ率が減少していきます。ここまで各項目をクリアしても、Discordサーバーの活性化は非常に難しいのです。

■活性化への鍵は?

先ず、これまでの項目1~3をクリアすることが大前提になります。

  1. 発言内容を定期的に考え、投下する
  2. 発言内容へのリプライに対応する
  3. 発言内容自体のリスクを管理する

そして、項目4に注意しながら、行動的なユーザーを巻き込みつつも、新規ユーザーの参加を促すようなチャット・イベント・キャンペーンを展開していき、「Discordの利用価値を高める」ことが活性化への鍵となります。

ゲームをしている合間にDiscordを覗いてコミュニケーションを取る。これが本来のDiscordの利用用途ですが、運営からのお知らせや発信を見るために定期的にDiscordを開くように促したり、時にはそのやり取りに参加できるようにする。
Discordを見ればコミュニケーションが取れるし、情報も手に入る。そんな「利用価値」を高め続けることが非常に大切なのです。

次回の記事では、Discordの利用価値を高めてサーバー活性化につながるコミュニケーションの方向性や、情報展開・整理の仕方など、実践テクニックを交えてご説明いたします。是非、ご期待ください!

また、弊社では今回ご説明した課題やリスクを解決するDiscordトータルサポートを行っております。より深く、実践的なノウハウをご提供することも可能ですので、疑問やご不明点などございましたら、お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

■イー・ガーディアンの「Discordトータルサポート」紹介はこちら

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