こんにちは!イー・ガーディアン ソーシャルメディアチームです。
 ソーシャルリスニング第八弾は、今まさに世間を騒がせている『デマ・フェイクニュース』について。先日大騒動になったトイレットペーパーに関する話題を調査してみました。

■トイレットペーパー不足の発端はデマツイートではなかった

そして、コロナ蔓延に伴う「紙類」の品薄。現在もなお、Twitter上で大きな話題となっています。この件について、発端と話題の時系列を調査してみました。

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※調査期間:2020年2月27日~3月2日
※調査媒体:Twitter
※RT含む

 トイレットペーパーについての話題を調べると、2月21日には既に買い占めについての言及がみられました。

 その後、2月26日にはオイルショック時のようなトイレットペーパー買い占めを危惧する投稿が拡散。同時に、紙類の品薄に言及するツイートが明確に増加しています

 そして同日、午後から夜間にかけ熊本で品切れを報告する投稿が急増しました。

翌2月27日以降、「紙類品切れ」に関する話題が一気に過熱。熊本市長によるデマへの注意喚起や日本家庭紙工業会からのリリース等が相次ぎ、連日1日10万件を超える話題量を記録しています。

 その後の報道では、一連の品薄について「中国で生産されているトイレットペーパーが品薄になる」とのデマツイートがきっかけとされ、発信者の一人が大きな批判を浴びました。しかし、話題の推移を追うと、紙類の品薄は当該のツイートが投稿された2月27日の午前10時以前に既に発生しており、このツイートが全国的な品薄のきっかけとは言い切れないことがわかります。
 むしろ、小売店では発生していた「品薄」について、SNSにおける話題化は少し遅れていました。しかし、情報拡散力が大きいのがSNSの特徴です。同時多発的に「品薄になる」「ならない」「デマに注意」と話題が盛り上がり、認知が拡大。リスクヘッジでの購買行動を招き、全国的な品切れに繋がったというのが今回の事象だったのではないでしょうか。

 となると、「品薄の発端がデマツイートだった」という言及そのものがフェイクだったともいえます。

 現在のようなパンデミックや災害の発生時には、話題や議論、注意喚起そのものが事象の認知度向上に直結。人々の購買行動を喚起する可能性が高く、逆に買い占め等に繋がる恐れがあるという認識も今後必要になりそうです。

■自身で情報拡散する前に気を付けてほしいこと

 今回は特定のツイートが発端ではなく、同時多発的に各地で情報拡散されることで全国的な事象に繋がりました。いま一度、自身で情報拡散する前に下記を注意していただければと思います。

  • 公的ソースがあるかどうかの確認
  • インフォデミック※になりそうなものは拡散しない
    (例:品薄・医療崩壊・特定の層への攻撃)
  • 非常時においては拡散する前に一呼吸おきましょう
    (特定のなにかにネガティブな情報は、誰かを傷つけ、迷惑をかける可能性があります)

※「インフォデミック」…「インフォメーション(情報)」と「エピデミック(流行)」を組み合あわせた言葉で、不確な情報が大量に広がり、問題の解決を遅らせるような状況のことです。

皆さんで気を付けていきましょう。

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