日常的なコミュニケーションツールとして欠かせない「LINE」。しかし、そのアカウント乗っ取り被害は依然として後を絶ちません。
「乗っ取りは個人の問題だから、企業には関係ない」と思っていませんか?
実はいま、従業員や顧客のアカウント乗っ取りを起点とした、企業の機密情報漏えいやブランド毀損といった重大な「事業リスク」が深刻化しています。2026年に入り、経営層を装ってLINEグループへ誘導する巧妙な詐欺も急増しています。
本記事では、2026年最新のLINE乗っ取りの手口と個人の対策をおさらいした上で、企業が組織としてどうやってこのリスクから身を守るべきか、具体的な対策を解説します。
1. はじめに:巧妙化する「LINE乗っ取り」の現状
かつての「プリペイドカード購入」を促す単純な手口から、現在は「公式を装ったフィッシング」や「認証コードの巧妙な聞き出し」へと進化しています。2026年になっても、LINEを騙るフィッシングサイトの報告は絶えません。
これらは単なる個人の問題に留まらず、企業の公式アカウントや、従業員の個人アカウントを起点とした「社会的信用の失墜」という事業リスクに直結しています。
2. 最新のLINE乗っ取り手口と個人の基本対策
ユーザーが検索している「対策」について、最新のLINEの仕様に基づき簡潔に解説します。
- 2段階認証(SMS・メール)の徹底:
パスワードだけでなく、物理的な端末による認証を必須にする。LINEビジネスIDにおいても2026年4月より2段階認証が順次必須化されます。もはや「任意」ではなく「必須」の守りです。 - 「ログイン許可」設定のオフ:
使用していない端末は「他端末からのアクセスを遮断する」としてPC版などの使用していない端末はログオフにしておく。 - 公式アプリ・パスキーによる「非入力型」ログインの徹底:
2026年現在、偽のログイン画面にパスワードと2段階認証コードを同時に入力させ、リアルタイムでアカウントを奪う「AitM(中間者攻撃)」が主流です。これに対し、最も有効な防御策は「手入力をやめること」です。
LINEが推奨する「パスキー(Passkey)」を活用すれば、デバイスの生体認証だけでログインが完了し、フィッシングサイトでは認証自体が動作しない仕組み(Origin-bound)で守られます。
従業員には、ブラウザの入力フォームに頼らず、公式アプリやOSが提供する安全な認証ルートのみを利用するよう、技術的な背景を含めた周知が必要です。 - 友だち追加時の警告表示に注意:
LINEは2026年現在、AIによる振る舞い検知を強化しています。不自然な速度で友だちを増やしているアカウントや、過去に詐欺報告がある類似パターンを検出すると、画面上部に「このアカウントは短期間に多数のユーザーへ接触しています」といった具体的な警告バナーを表示します。特に2026年3月の仕様変更により、「認証バッジ(緑色の新デザイン)の有無」がこれまで以上に明確化されました。
従業員に対し、「警告バッジやバナーが出ているアカウントは、たとえ知人の名前であっても『乗っ取られている』と判断し、追加や返信を控える」という具体的な行動指針を周知することが、組織を守る鍵となります。
これらの対策は、設定を見直すだけで今すぐ実行できるものばかりです。所属企業や組織を守るためには、まず従業員一人ひとりがこうした基本設定を徹底し、「個人のアカウントであってもセキュリティ意識を高く持つ」という土台を作ることが第一歩となります。
3. 企業が直面する「アカウント乗っ取り」の3大リスク
個人アカウントが乗っ取られた際、企業が受ける損害を定義します。
- 機密情報の漏洩(シャドーIT対策):
LINE WORKS連携やビジネスチャットの代わりに利用している場合、社内情報が外部に流出してしまいます。多くの企業が正規のビジネスチャットを導入していますが、現場では利便性から個人のLINEで業務連絡を行う「シャドーIT」が依然として残存しています。
乗っ取られたアカウントの「Keep」や「ノート」、「アルバム」には、社外秘の企画書、顧客の名刺写真、工程表などが蓄積されているケースが少なくありません。
また、LINEと社内システムを連携させている場合、そのトークルーム自体が社内ネットワークへの「裏口」となり、さらに大規模なサイバー攻撃の足掛かり(踏み台)にされるリスクがあります。 - 二次被害によるブランド毀損:
自社社員のアカウントが「詐欺の送信元」となり、取引先や顧客へ被害が拡大していしまいます。
攻撃者は、乗っ取ったアカウントから取引先担当者へ「急ぎの入金依頼」や「マルウェア付きファイルの送付」を行います。信頼している相手からの連絡であるため、従来のメール詐欺よりも格段に成功率が高く、被害を拡大させます。
自社が「加害者側(詐欺の送信元)」の起点となってしまった場合、法的な損害賠償責任のみならず、「従業員のITリテラシー教育すら不十分な企業」というレッテルを貼られ、長年築き上げたブランドイメージが失墜してしまうことも考えられます。 - プラットフォーム運営の停止リスク:
自社サービス内のユーザーアカウントが大量に乗っ取られた場合、サービス自体の信頼性が揺らぎ、ユーザー離れを引き起こしてしまいます。
ユーザーが「このサービスを使っているとLINEが乗っ取られる(あるいはその逆)」という不安を感じた瞬間、アクティブユーザー数は激減します。一度失ったセキュリティへの信頼を取り戻すには数年単位の時間と莫大なコストを要します。また、大規模な乗っ取りが発生した場合、カスタマーサポートへの問い合わせ殺到、原因究明のための調査費用、さらには個人情報保護法に基づく報告義務など、直接的な経済損失が企業の収益を圧迫します。
このように、たった一つのアカウントの乗っ取りが、企業にとっては事業継続を脅かすほどの甚大なダメージに発展する可能性があります。もはや「個人のプライベートな問題」として放置することはできず、企業全体としてこれらのリスクを最小限に抑える仕組みづくりが不可欠です。
4. サービス運営者が取るべき「組織的」な対策
単なる注意喚起では不十分です。イー・ガーディアンでは、以下の3つのレイヤーでの対策を提唱しています。
- 【防御】サイバーセキュリティ対策:
そもそもシステム的に侵入させない「脆弱性診断」や「SOC(セキュリティ・オペレーション・センター)」による24時間監視。 - 【検知】投稿監視・AIモニタリング:
乗っ取られたアカウントによる不審な投稿やスパム送信を、AI監視システム「Kotonashi」と有人監視のハイブリッドで早期検知・削除。 - 【対応】24時間365日のカスタマーサポート:
被害に遭ったユーザーからの報告を即座に受け付け、アカウント凍結などの初動対応を迅速化し、被害拡大を食い止めます。
セキュリティ対策は「防御」だけでは完璧ではありません。万が一突破された場合でも、AIと有人による確実な「検知」、そして被害の拡大を食い止めるカスタマーサポートの迅速な「対応」、この3つが連動して初めて企業のブランドと顧客の信頼を守り抜く強固な体制が完成します。
5. まとめ:安全なインターネット環境を構築するために
LINE乗っ取りは、もはや「個人の注意不足」で片付けられる問題ではありません。企業としては、従業員のリテラシー向上と同時に、万が一の事態に備えた「検知・対応」の体制構築が急務です。
イー・ガーディアンでは、累計導入実績数1,000社を超える知見を活かし、企業のSNS運用からセキュリティ対策までをトータルでサポートします。
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