こんにちは!イー・ガーディアン ゲームリサーチチームです。

弊社ではゲーム企業向けに、開発段階においてはデバッグ、ローカライズ、セキュリティ診断などのサービス提供から、運用段階ではカスタマーサポートやSNS運用、Discordコミュニティの構築・運用、イベント実施企画運営など、ゲーム事業を上流から下流まで様々なサービス提供により一貫したサポートをしております。

今回はその中でも、主にゲーム運営者の方向けに、Discord運用に関する情報をお届けしていきたいと思います!

昨今、ゲーム運営者の間でユーザーとの活発なコミュニティの構築・運用手法として、「Discord運用」というワードが浸透してきました。弊社でもしばしば相談をうけることがあり、業界の中でも早期の段階でサービス提供を開始しています。

参考:2021年03月01日「Discord運用サポート」提供開始

ゲーム運営者はゲームリリース前からDiscordサーバーを運用し、従来のSNSをライトユーザーなどの一般向け、Discordサーバーをコアユーザー向け、と位置づけてコミュニティを構築・運用することが多い中で、Discordの特性から広い層の取り込みに苦心されているのではないでしょうか?

今回は広く「Discord」の紹介をしながらその特性に触れ、実際の活用例から弊社でできることなども紹介していきます!

■Discord運用は本当に必要なのか?

先ずは、何故いまDiscord運用をするべきなのか?SNSはいっぱいあるし他にリソースを投下するべきでは?という疑問が当然生まれるかと思います。実はいま若い世代(20代前後)ではDiscord利用ユーザーが増えており、2022年5月に行われた東京工科大学のリサーチでは、新入生のDiscord利用率が実に40.9%まで上昇していることが分かりました。

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※引用:東京工科大学 新入生の「コミュニケーションツール」利用実態調査

グラフを確認すると、数あるコミュニケーションツールの中でも、Discordが右肩上がりの成長を記録しています。来年度には利用率が50%に迫ることも予想され、今後のLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を長期的に考えれば、ユーザー数が急増するDiscordを使ったコミュニティの構築・運用が急務であると言えるでしょう。

■現在のゲーム事業でのDiscordの運用率は?

2022年11月にリリースされた主要ゲームアプリを調査してみると、早期でDiscord運用を始めたアプリ数は20アプリ中4アプリ。20%程度の運用率になります。この中で、日本国内を主戦場としたアプリは0件とまだまだ日本市場には「Discordが浸透していない」ことが分かります。

■まだDiscord運用はしないで良いのでは?

確かに日本国内アプリの状況を見てみると、Discord運用を行う必要性はないように見えます。しかしながら、全世界事前登録者数200万を突破し話題となったTHE KING OF FIGHTERS ARENA(以下、KOFアリーナ)ではCBT(クローズドβテスト)段階でDiscordを活用した各種プロモーションを開始。2022年12月現在で、4万人以上のユーザー(英語圏含む)を有しています。

Discordは当初ゲームユーザー向けのチャットツールとして人気を集めたことから、もともとクローズドなコミュニティ=どちらかと言えばコアユーザー向けのコミュニティの土壌があります。そのため、現状のコアユーザー(もしくは予備軍)が参加し、多くの議論やコミュニケーションを重ねる中で新規参入ユーザーがコアユーザーへと育つことにより、結果的にコアユーザーが増加していくというユーザーの成長サイクルが理想のコミュニティと言えるでしょう。

KOFアリーナが早期にDiscord運用を行い、これだけの人数を集めた時に何が起こるか。ユーザーは上記のような成長サイクルを見込めることは勿論です。しかし、それだけではありません。

■Discordで行うオープンコミュニティへのアプローチ

実はもともとクローズドと思われていたDiscordコミュニティから、他SNS=オープンコミュニティへの訴求も行うことができるようになるのです。

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※KOFアリーナのPVシェアリングキャンペーンの投稿

KOFアリーナでは新キャラ実装や新コンテンツ実装時に、「PVシェアリングキャンペーン」を行いました。これは、指定されたPVを他SNSでシェアし、そのシェアURLを指定チャンネルに投稿することで応募が完了するキャンペーンです。

ここまでユーザー数を伸ばすことができれば、このようなプロモーションを1度投稿するだけで大々的に実施できるのです。イベント自体の盛り上がりは報酬に起因することも多いとはいえ、目に触れる、という点では目的を達成できるでしょう。加えて、TwitterやInstagramのように多くのタイムラインの中に埋もれることがありません。運営者はお知らせチャンネルにメッセージを投下するだけで、ユーザーから非常に見えやすく、また、文字数制限も(実質)無い環境でアプローチができるのです。これは、Discordだからこそ実現できる有効なプロモーションと言えるでしょう。

■キャンペーンなどのプロモーションを通じてアクティブ率を上げる

先ほどまでは、プロモーションの観点で“Discord運用を行いユーザーを集めるべき”とご説明しました。
しかし、Discordを用いたキャンペーンやプロモーションには他SNSでは起こりにくい副次的効果があります。

それはどういったものでしょうか?

例えば、このようなキャンペーンひとつでも、ユーザーはDiscordの通知や未読履歴からアクセスを行います。アクセスを行ったユーザーの内、3~10%程度のユーザーは、リアクション・メッセージ送信(他チャンネルを含め)を行うことが弊社の対応データから分かっています。これはつまり、「ユーザーのアクティブ率が上がる」ということです。

ユーザーのアクティブ率が上がると、コミュニティの活性化に繋がります。コアユーザーは有益な情報を各チャンネルに投稿し、それを新規ユーザーが見て参考にする。新規ユーザーはその情報を基にゲームを進め、議論に参加し始める。その過程で新規ユーザーがコアユーザーへ変化していく、という理想的な流れに繋がっていくのです。

こういったユーザーの成長サイクルはTwitterやInstagramなどのオープンなSNSでは起こりにくい現象、効果と言えるでしょう。

一歩進んだプロモーションが、日本国外のゲームアプリでは当たり前に行われています。弊社では多言語に渡りDiscordサーバー構築・運用を行っておりますので、このような対応も可能です。

■結論として:今すぐにDiscord運用を始めるべきです

Discord運用は、他SNS運用よりも複雑で難しい・マンパワーがかかりそうといった印象があるかと思います。確かに、サーバー構築には専門知識(Discordの仕組みやBOT選定・実装・メンテナンスなど)が必要で、新規参入には多くの時間がかかるでしょう。

弊社ではそのような運営者の皆様に、低コストで高品質なDiscordサーバー関連サービスをご提供しております。昨今ではDiscord上でカスタマーサポートを行うシステムを構築するなど、その対応幅を広げて「良い意味で日本運営らしいサポート」も実現してきております。

今後も利用率が右肩上がりに上昇していくであろうDiscord。皆さんも運営を始めてみてはいかがでしょうか?効果的なプロモーションを行い、コアユーザーを基軸に全ユーザーを育てていく。そんな理想的なサイクル、仕組みにご興味があれば、是非、弊社までご相談ください!

■イー・ガーディアンの「Discordトータルサポート」紹介はこちら

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